Asymptoteとは?
学校の授業や問題演習で、グラフの中に下の図のような点線(dashed line)で描かれた直線を見たことはありませんか? これが Asymptote です。

Asymptote とは、グラフの曲線が遠くへ行ったとき「限りなく近づく直線」のことです。上の図では垂直な壁のようなasymptoteと水平なasymptoteの2本があります。日本の数学では「漸近線(ぜんきんせん)」と習いますが、漢字の名前を覚える必要はありません。
Vertical Asymptote
一番よく見かける、垂直な壁のような直線のことです。
上の図では次のような関数が緑色の曲線で描かれています。
$$y = \frac{1}{x-2}+3$$
この関数は分母が $0$ にならないことを前提として定義されています。$x = 2$ を代入すると分母が $0$ になってしまい、数式が Undefined になります。
ただし$x$を限りなく$2$に近づけることはできます。$x$を右側から$2$に近づけてくると、$y$はプラス側にどんどん大きくなっていき、グラフが描ききれなくなります。そしてグラフはそのまま上に伸び続けるだけで、$x=2$という垂直な直線を超えて左側に入り込むことはできません。
$x$を左側から$2$に近づけると$y$はマイナス側(下に向かって)にどんどん伸びていきますが、$x=2$という直線を超えて右側に出ることはありません。
このように壁のように見える直線を Vertical Asymptote といいます。
見つけ方のロジック: 分数式の「分母 $= 0$」になる $x$ を探す
Horizontal Asymptote
同じ関数を使って、こんどは $x$ の値をものすごく大きく($\infty$:無限大に)してみます。
例えば $x$ に1億を入れると、分母は「1億マイナス2」という巨大な数になります。この値はほぼ $0$ とみなせるでしょう。
$x$ を大きくすればするほど、 $\frac{1}{x-2}$ というカタマリは $0$ に限りなく近づいていきます。しかし分子が固定された数(ここでは $4$ )である限り、この分数全体が完全に $0$ になることは絶対にありません。
つまり $x$ を無限に右へ進めても $y$ は限りなく $3$ に近づくだけで、 $y = 3$ という水平な直線を超えて下に出ることはありません。
$x$を左方向へ無限大に伸ばしたときも同様です。$y$の値は$3$より小さい値を維持していますが、どこまでいっても$y=3$を超えて上側に出ることはありません。
このような水平な直線を Horizontal Asymptote といいます。
見つけ方のロジック: $x$ を無限大($\infty$ や $-\infty$)に飛ばしたときに、 $y$ が近づく値を計算する
試験で役立つヒント
⛔よくある間違い
Question: Find the vertical asymptote of $y = \frac{1}{x-2}$.
Your Answer: $2$
⚠️ Asymptote は「数(Number)」ではなく「直線(Line)」である
多くの生徒がasymptoteが座標軸と交わるところの数字だけを書いて終わりにしてしまいます。
Asymptoteはグラフ上に引かれる直線です。直線を表すときは、必ず方程式(Equation)の形で書かなければいけません。
- Vertical Asymptote: 縦線なので、必ず $x = 2$ のように書く。
- Horizontal Asymptote: 横線なので、必ず $y = 3$ のように書く。
問題文に “Find the equation of…” と書かれていなくても、Asymptoteを答えるときは常に $x=\dots$ や $y=\dots$ の形で答えることが大事です。
セットで覚える周辺英語表現
(注)以下の解説は、本記事関連の文脈で使われる用語や表現における意味です。
Rational Function : polynomialをpolynomialで割った分数の形をした関数
Undefined : 分母が$0$になるなど、関数の値が計算できないもの
Domain : 関数$y=f(x)$において、$x$のとりうる値の範囲(定義域)
Range : 関数$y=f(x)$において、Domainに対応した$y$のとりうる値の範囲(値域)
Oblique Asymptote : VerticalでもHorizontalでもないAsymptote、下の図の赤い斜めの破線のようなAsymptote

❇️Oblique Asymptoteは、IB MathではHLの内容、具体的な求め方や入試必須のグラフ作成法などを解説した【実践編】記事を現在準備中です。
「いまここでつまづいていて、すぐ個別の解説がほしい」という方は以下の個別相談リンクからご相談ください。
IB・AP Math/Physicsについての個別相談のご案内
IB DPやAPなど高度な理数系科目では、日常の生活で聞いたことがないような用語や、よく使われる単語でも科目に特有な意味で使われたりします。これらの専門用語や表現を理解しておけば、その後の学習がスムースに進みます。
用語や表現の意味を正確に理解し、先手必勝で理数系科目を得意科目にしましょう。



コメント