前半は単振り子の単振動の問題、後半は測定データの処理に関する問題です。
問1と問2は問題集にもよくある基本の典型問題なので、時間をかけすぎないようにしましょう。
問3は実験データの取り方や誤差に関する考察をしたことがないと難しいかもしれません。この機会に一般的なことを覚えましょう。
問4は簡単です。問5は、話には聞いていても実際に自分で手を動かして計算した経験がないと難しいかもしれません。
問1
振幅の小さい単振り子の問題なので、円運動ではなく接線方向の運動に注目します。
小球にはたらく力は重力と張力で、以下のようです。

運動方向は問題文の図1で$s$の向きを正にとっています。力$F$は円運動の接線方向となり向きは負の向きなので、
\[
F=-mg\sin\theta
\]
となる。また糸の振れ角が小さく、$\sin\theta \fallingdotseq \theta$が成り立つと近似できるので、
\[
F\fallingdotseq -mg\theta
\]
となります。
正解:2
問2
$s$は三角関数の$\sin$または$\cos$で表されます。
時刻$t=0$において$s=0$なので、関数は$\sin$であることがわかります。
また時間が少し進むと$s$が正の向きに進むことから、求める関数は、
\[
s=L\theta_0 \times\sin\omega t
\]
となります。このときの$\omega$は公式から直接求めてもよいし、単振動の運動方程式から求めてもよいです。
[解法1 公式から]
糸の長さが$L$の単振動なので、
\[
\omega=\sqrt{\dfrac{g}{L}}
\]
[解法2 運動方程式から]
運動方程式は以下のようになります。
\begin{align}
ma&=-mg\theta\\[6pt]
&=-mg\dfrac{s}{L}\\[6pt]
\therefore a&=-\dfrac{g}{L} \times s
\end{align}
加速度$a$が変位$s$のマイナスに比例することを表しており、これは単振動でその角振動数の2乗$\omega^2$は$s$の係数に対応しています。すなわち、
\[
\omega^2=\dfrac{g}{L}\\[6pt]
\therefore \omega=\sqrt{\dfrac{g}{L}}
\]
です。
正解:1
問3
真の周期を$T$とすると、$N$往復の正確な周期は$T \times N$で表されます。
実際に測定された値$t_N$はこれより$\Delta t$だけ長いということなので、
\[
t_N=T \times N+\Delta t
\]
です。これを元にして周期を算出すると、測定値から得られる周期$T_N$は以下のようになります。
\begin{align}
T_N&=\dfrac{t_N}{N}\\[6pt]
&=\dfrac{T \times N+\Delta t}{N}\\[6pt]
&=T+\dfrac{\Delta t}{N}
\end{align}
右辺の第2項が測定誤差の項で、この問題では題意より$\Delta t \gt 0$ですから、真の周期よりも大きく見積もられていることになります。
また測定する往復の回数$N$が大きくなれば右辺第2項の誤差を小さくすることができます。
正解:5
問4
振り子が原点を通過するたびにレーザー光をさえぎり、その瞬間はオシロスコープに表示される信号が弱くなります。
1往復の運動で行きと帰りの2回原点を通過するので、問題のグラフでとがった部分の2個分が1周期ということになります。
正解:3
問5
一般に、地球上で測定される重力加速度は、万有引力と自転による遠心力の合力となっています。
極では遠心力がゼロなので、万有引力の影響のみを受けています。
赤道上では半径が$R$の円運動となっているので、その遠心力$f$の大きさは$m \times R\omega^2$です。
万有引力と遠心力の向きは図のようになっており、万有引力は極での重力と一致するので、
\begin{align}
mg_e=mg_v-f\\[6pt]
\therefore g_e=g_v-\dfrac{f}{m}
\end{align}
となります。
正解:1
この問題への対策
実験データ処理に関する設問は、自分でデータを取ってみた経験がないと難しいかもしれません。
この実験に限らず、学校で実験をやっているならそのときの手順やデータ処理の方法を見直しておきましょう。特に実験の誤差や測定誤差を小さくするための工夫は、どの実験でも必ず取り入れられています。具体的な実験手順と合わせて確認しておきましょう。
実験にあまりなじみがない場合でも、今回の問3は共テで頻出の重要事項なのでこの機会に整理しておきましょう。



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