第1問は異なる分野の小問を並べた小問集合です。
いずれも計算量は少なく、使うべき法則や視点を素早く判断できるかどうかが問われています。
各小問は独立した1題ですから、時間をかけずにどんどん処理して得点していきましょう。
問1
・気体の出入りがないから状態方程式が使える
・変化するのは圧力と体積と温度のみ
山頂とふもととの間で注射器内の気体の出入りはありません。したがってボイルシャルルの法則
$\dfrac{PV}{T}=$一定
が使えます
山頂を状態0、ふもとを状態1とすると、
$\dfrac{P_0V}{T_0}=\dfrac{P_1(V-\Delta V)}{T_1}$
が成り立ちます。したがって、
$P_0=\dfrac{P_1(V-\Delta V)T_0}{VT_1}$
となります。
正解:4
問2
・$mg$は地表における万有引力を表したもの
・選択肢には$m$を含む式がないので、$m$を消去することを考える
地表面にある質量$m$の小物体と地球の中心との間にはたらく万有引力は、
\[
G\dfrac{Mm}{R^2}
\]
で表されます。地表付近ではこの万有引力を$mg$としているので、
\begin{align}
mg&=G\dfrac{Mm}{R^2}\\[6pt]
\therefore M&=\dfrac{gR^2}{G}\quad\dots\quad ア
\end{align}
が成り立ち。この式に具体的な数値を代入して計算すると、
\begin{align}
M&=\dfrac{gR^2}{G}\\[6pt]
&=\dfrac{9.8 \times (6.4\times 10^6)^2}{6.7\times 10^{-11}}\\[6pt]
&=6\times 10^{24}\quad\dots\quad イ
\end{align}
となります。
正解:9
問3
・力を一度にまとめないこと
・「平行でない力」を先に、「平行な力」を後で処理
・平行な力の合力と作用点の求め方
三つの力の合力が問われています。
まず平行でない二つの$2F$の合力$F_1$を作図で求めておきます。平行でない力ですから、作用線を延長しての交点が作用点であり、平行四辺形の対角線と角度との関係から$F_1$の大きさは$2F$であることがわかります。

次にその合力$F_1$と点Pにはたらく$F$との合力を考えます。この二つは平行で逆向きの力であり、
・点O:上向きに$2F$
・点P:下向きに$F$
なので、合力は大きさが$F$で上向きであることがわかります。

次に合力の作用点Qを求めます。合力の作用点は二つの力の作用点を力の大きさの逆比に外分する点であることがわかってるので、
OQ:QP$=F:2F=1:2$
となります。つまり合力の作用点QはOPを$1:2$に外分する点であり、それは正方形の板の左端となっていいます。
正解:4
問4
・力がかかる向きを考える
・速さが変わるかどうかだけを考える
・計算は不要
領域Rに入ってきたときの電子の速さを$v$とします。そして領域Rが磁場のみの場合、電場のみの場合、電場と磁場を両方かけた場合の3つにわけて考えます。
[磁場のみの場合]
磁場の中で動く電子はローレンツ力を受けます。問題文の図3のようすから、ローレンツ力$f_B$が下の図の向きであることがわかります。

電子は自分の速度ベクトルに垂直な向きにローレンツ力を受けるので、電子の動きは等速円運動となります。したがって電子の接線方向の速さは最初に電子が領域に飛び込んできたときの速さ$v$と同じであり、出口においても$v_3=v$となっています。
以降はこれを基準として判断します。
[電場のみの場合]
電子が電場によって図3の下の向きに曲げられているので、電場の向きは下から上であり電子は下向きの力$f_E$のみを受けている状況であることがわかります。

進行方向の力はゼロなので、図の$x$方向には等速直線運動となっています。また$y$方向には電場から静電気力を受けるので、全体としては下向きの等加速度運動となります。
したがって、領域を出るときの$v_2$は最初の速さ$v$より大きくなっていることがわかります。
ここまでの考察で、$v_2>v_3$であることが明らかになりました。
[電場と磁場の両方をかけた場合]
両方をかけてその運動が直線状になったということです。
磁場によるローレンツ力は速度ベクトルに垂直な方向、電場による静電気力は常に下向きであることを考えると、この動きでは$x$方向の力は存在しないことがわかります。

したがって$x$方向に等速直線運動を続けるということになるので、$v_1=v_3$となります。
以上をまとめると、$v_2>v_3=v_1$となります。
正解:2
問5
・ドブロイ波長の公式
・最小角となるときの整数値$n$
電子線のドブロイ波長は、
\[
\dfrac{h}{mv}
\]
で与えられます。
二つの電子線の反射にともなう経路差は以下の図の通りです。

経路差は$2d\sin\theta$であり、これがドブロイ波長の整数倍になっていれば電子線は強めあいとなります。したがって、整数を$n$とすると、
\[
2d\sin\theta=n\dfrac{h}{mv}
\]
が強めあいの条件となります。
$\theta$が最小値$\theta_0$を取るとき、整数$n$は$1$だから、
\begin{align}
2d\sin\theta_0&=\dfrac{h}{mv}\\[6pt]
\therefore d&=\dfrac{h}{2mv\sin\theta_0}
\end{align}
となり、答は(c)となります。
正解:5
この問題への対策
第1問には基本的な小問が集まっています。
リードαやセミナー物理、アクセス物理などの傍用問題集の基本問題を確実に正解できるようにしておきましょう。それだけでこの第1問は完答できます。



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