AP Physics 2ってどんな試験?

Physics 2

この記事シリーズではAPの概要や各科目で要求される内容を紹介します。本記事はPhysics 2に関してです。

各章の番号はPhysics 1から続いています。

なお、この記事はEffective Fall 2024に基づくもので、2026年5月の試験で有効なものです。公式な情報はCollege Boardのウエブサイトで確認してください。

AP(Advanced Placement)とは

AP(Advanced Placement Test)とは、米国のCollege Boardによって主催される試験です。約40科目が設定されており、好成績を獲得すると以下のようなメリットがあります。

(1) 英語圏大学のadmission processを有利に進めることができる
(2) 大学での単位の一部に認定してもらえることがある
(3) 大学レベルの知識があることが証明される

(1)について、米国ではSATがほぼ必須になっています。しかしSAT mathは基礎的な内容であり、世界中から優秀な志願者の集まる有名大学ではSATではほとんど差がつきません。

このとき、エッセイやinterviewで差がつき、またAPやIBなどの追加資料を提出することができれば、選考プロセスが有利になります。

(2)は大学ごとに異なりますが、大学1-2年の単位の一部をAPの試験の成績に応じて認定してもらえることがよくあります。

カバーされる内容

Physics 2は力学以外(熱、波動、電磁気、原子)です。また微積分は不要で、algebra basedの試験です。

9 Thermodynamics

選択肢式試験では全体の16-18%を占めます。日本の「熱力学」の章がここに該当します。

さらに伝熱工学の初歩である「熱伝導」や熱力学の第二法則(エントロピー)なども含まれます。これらは日本の高校物理の範囲外です。

Kinetic Theory of Temperature and Pressure
The Ideal Gas Law
Thermal Energy Transfer and Equilibrium
The First Law of Thermodynamics
Specific Heat and Thermal Conductivity
Entropy and the Second Law of Thermodynamics

10 Electric Force, Field, and Potential

選択肢式試験では全体の16-18%を占めます。日本の「静電気力」や「電場と電位」「コンデンサーと静電エネルギー」などの章がここに該当します。

Electric Charge and Electric Force
Conservation of Electric Charge and the Process of Charging
Electric Fields
Electric Potential Energy
Electric Potential
Capacitors
Conservation of Electric Energy

11 Electric Circuits

選択肢式試験では全体の16-18%を占めます。日本の「直流回路」の章がここに該当します。

Electric Current
Simple Circuits
Resistance, Resistivity, and Ohm’s Law
Electric Power
Compound Direct Current (DC) Circuits
Kirchhoff’s Loop Rule
Kirchhoff’s Junction Rule
Resistor-Capacitor (RC) Circuits

12 Magnetism and Electromagnetism

選択肢式試験では全体の14-16%を占めます。「磁場」「電流と磁場」「磁場の中の荷電粒子の運動」「電磁誘導」などの章がここに該当します。

Magnetic Fields
Magnetism and Moving Charges
Magnetism and Current-Carrying Wires
Electromagnetic Induction and Faraday’s Law

13 Geometric Optics

選択肢式試験では全体の10-14%を占めます。日本の「光の性質」の章がここに該当します。レンズ、鏡、反射と屈折などが含まれます。光の干渉は次の章です。

Reflection
Images Formed by Mirrors
Refraction
Images Formed by Lenses

14 Waves, Sound, and Physical Optics

選択肢式試験では全体の10-14%を占めます。日本の「波動」の章がここに該当します。音や弦以外に光を含む電磁波も扱います。

Properties of Wave Pulses and Waves
Periodic Waves
Boundary Behavior of Waves and Polarization
Electromagnetic Waves
The Doppler Effect
Wave Interference and Standing Waves
Diffraction
Double-Slit Interference and Diffraction Gratings
Thin-Film Interference

15 Modern Physics

選択肢式試験では全体の10-14%を占めます。日本の「原子物理」の章がここに該当します。

また黒体放射など伝熱工学の基本もここで学びますが、これは日本の高校物理の範囲外です。

Theory and Wave-Particle Duality
The Bohr Model of Atomic Structure
Emission and Absorption Spectra
Blackbody Radiation
The Photoelectric Effect
Compton Scattering
Fission, Fusion, and Nuclear Decay
Types of Radioactive Decay

多肢選択式の試験

試験全体はPhysics 1と同じです。多肢選択と自由記述が50%ずつ、各90分、合計180分の試験です。

多肢選択はほぼ4択で、45ー50問で構成されています。1問あたり2分もありませんので、スピードと正確さが要求されます。

自由記述式の試験

自由記述は大問4問で構成されています。大問によって配点や小問の数も違うので時間配分には気をつける必要があります。

単に計算して答を出すだけでなく、実験手順を作成して記述したりグラフや図を描くことも要求されます。

↓試験問題のサンプルです。

最近の成績データ

過去の詳細なデータはCollege Boardのウエブサイトで公表されています。

2023年の実績を見ると、Physics 1の総受験者数は全世界で20,453人、このうち最高点のスコア”5″を獲得したのは3,377人で、受験者数のわずか16.51%です。

2024年では、総受験者数が22,804人、”5″の獲得者数は4,359人で、受験者の19.1%となっています。

Physics 1と比べてスコア5の比率が高くなっていますが、これは物理を習い始めたばかりの人がPhysics 1に多いためと思われます。Physics 2を受験する受験生は既にPhysics 1レベルはクリアーしているということです。

まとめ

Physics 2では日本の物理の力学以外に相当するところがほぼすべて含まれています。さらに熱伝導や黒体放射など伝熱工学の初歩なども含まれていて、これらは日本の標準的な高校物理のカリキュラムには含まれていません。

Physics 1と同様で制限時間が厳しいので、短時間でどんどん正解を出していく必要があります。

自由記述式の試験問題もPhysics 1と同様です。実験手順を自分で設計し記述するような問題や、結果を議論する考察問題も含まれています。計算して答を出すだけではなく採点基準をクリアーした記述をしなくては得点にならないので、こちらは専用に対策が必要です。

公式な情報はCollege Boardや志願先大学の公式ウエブサイトで確認してください。

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