[共テ2025本試験] 物理基礎 第2問

物理基礎

二つのおもりが糸でつながれていて、定滑車にかかっている問題です。

問題文の冒頭にあるように、二つのおもりの加速度から重力加速度を求めるのがこの第2問の最終目標(問5)です。これを見失わないようにしましょう。

本来なら運動方程式を立てて解いていく問題ですが、図1の説明の前にある式

$a=\dfrac{M’-M}{M+M’}g$

が既に運動方程式の答になっているので、この式をうまく使います。

以下、説明のためにこの式を式(A)とします。

問1と問2ができたら問3に進みますが、図2の説明をていねいに読み、どのように$v$を測定しようとしているのか原理を把握しましょう。ここは少し難しいところです。

問1

$M=M’$のとき、式(A)より

$a=0$

であることがわかります。加速度がゼロということであり、問題文の「等速直線運動」とも矛盾しません。

各おもりにはたらく力は下図のようになっているので、張力$S$は

$S=Mg(=M’g)$

となります。

正解:2

問2

$M\lt M’$のときは、おもりの加速度の大きさは式(A)そのものとなり、等加速度運動であることがわかります。

しかし式(A)は選択肢にありません。

問題文では「初速度$0$で距離$h$だけ落下したときの、おもりの速さを$v$とする」とあります。選択肢から見て、$a$を$h$と$v$を使って表すということなので、等加速度運動の公式を使って、

$v^2-0^2=2ah$

が成り立ちます。この式より、

$a=\dfrac{v^2}{2h}$

となります。

正解:3

問3

実験の目的は式(A)を利用して重力加速度を求めることでした。

そのためには、異なる質量のおもりで$a$を測定する必要があります。

問2では、$h$だけ落下したときの$v$から$a$がわかるという関係式を導きました。

問3は、$h$だけ落下したときの$v$を測定する問題です。

[実験装置の原理 1 手を離してからB+Cがパイプの上端に到達するまで]

  • 左側Aは質量$M$、右側はB+Cで質量は$M’=M+m$となっています。
  • この状態で距離$h$だけ等加速度運動で落下します。
  • B+Cがパイプの上端に到達した瞬間の速さ$v$がわかれば、問2の式から$a$を求めることができます。

[実験装置の原理 2 B+Cが分かれてBだけが床に到達するまで]

  • Cが離れると右側はBだけとなり、左右の質量はいずれも$M$となります。
  • この間の運動は問1により等速直線運動であることがわかっています。
  • つまり運動の後半は等速直線運動であり、Bが$H$だけ進む時間$T$を計測すればその間の速さ$v$がわかります。

$v$がわかれば問2の式より$a$がわかり、式(A)より重力加速度がわかるということです。

図2(ii)を参考にすると、Bが等速直線運動で$H$を動くときの速さが$v$です。設問の文よりこの時間は$T$となっているので、

$v=\dfrac{H}{T}$

となります。

正解:5

問4

$h$と$v$との関係が問われています。問2の答がヒントになります。

問2より、

\begin{align}
a&=\dfrac{v^2}{2h}\\
\therefore\quad v^2&=2ah
\end{align}

が得られます。また問4では$h$のみを変えて測定しておりおもりの質量は変えていないので、式(A)により加速度$a$は一定です。

設問では$v^2$と$h$との関係が問われておりそれは正比例のグラフになるはずなので、原点を通る直線のグラフを選びます。

正解:1

問5

問4よりグラフの傾き$b$は$2a$に等しいことがわかります。つまり

$a=\dfrac{b}{2}$

ということです。

また問3のおもりの設定より$M’=M+m$です。これらを式(A)に代入して$g$の式を求めます。

\begin{align}
a&=\dfrac{M’-M}{M+M’}g\\
\dfrac{b}{2}&=\dfrac{(M+m)-M}{M+(M+m)}g\\
\dfrac{b}{2}&=\dfrac{m}{2M+m}g\\
\therefore\quad g&=\dfrac{b}{2}\times \dfrac{2M+m}{m}\\
&=\dfrac{2M+m}{2m}b
\end{align}

正解:3

この問題への対策

重力加速度を測定するという基本的な実験で、問3がこの大問のメインです。

問1と問2で問われていることをヒントにして図2の実験原理を理解するところがポイントです。

原理が理解できてしまえば問5まで一気に解けます。

問題文の中で図の説明が長めになっているときは、サッと読むのではなくていねいに読み込む必要があります。説明文と図を交互に見ながら「図の装置で何をしようとしているのか」を考えましょう。

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