二つのおもりが糸でつながれていて、定滑車にかかっている問題です。
問題文の冒頭にあるように、二つのおもりの加速度から重力加速度を求めるのがこの第2問の最終目標(問5)です。これを見失わないようにしましょう。
本来なら運動方程式を立てて解いていく問題ですが、図1の説明の前にある式
$a=\dfrac{M’-M}{M+M’}g$
が既に運動方程式の答になっているので、この式をうまく使います。
以下、説明のためにこの式を式(A)とします。
問1と問2ができたら問3に進みますが、図2の説明をていねいに読み、どのように$v$を測定しようとしているのか原理を把握しましょう。ここは少し難しいところです。
問1
$M=M’$のとき、式(A)より
$a=0$
であることがわかります。加速度がゼロということであり、問題文の「等速直線運動」とも矛盾しません。
各おもりにはたらく力は下図のようになっているので、張力$S$は
$S=Mg(=M’g)$
となります。

正解:2
問2
$M\lt M’$のときは、おもりの加速度の大きさは式(A)そのものとなり、等加速度運動であることがわかります。
しかし式(A)は選択肢にありません。
問題文では「初速度$0$で距離$h$だけ落下したときの、おもりの速さを$v$とする」とあります。選択肢から見て、$a$を$h$と$v$を使って表すということなので、等加速度運動の公式を使って、
$v^2-0^2=2ah$
が成り立ちます。この式より、
$a=\dfrac{v^2}{2h}$
となります。
正解:3
問3
実験の目的は式(A)を利用して重力加速度を求めることでした。
そのためには、異なる質量のおもりで$a$を測定する必要があります。
問2では、$h$だけ落下したときの$v$から$a$がわかるという関係式を導きました。
問3は、$h$だけ落下したときの$v$を測定する問題です。
[実験装置の原理 1 手を離してからB+Cがパイプの上端に到達するまで]
- 左側Aは質量$M$、右側はB+Cで質量は$M’=M+m$となっています。
- この状態で距離$h$だけ等加速度運動で落下します。
- B+Cがパイプの上端に到達した瞬間の速さ$v$がわかれば、問2の式から$a$を求めることができます。
[実験装置の原理 2 B+Cが分かれてBだけが床に到達するまで]
- Cが離れると右側はBだけとなり、左右の質量はいずれも$M$となります。
- この間の運動は問1により等速直線運動であることがわかっています。
- つまり運動の後半は等速直線運動であり、Bが$H$だけ進む時間$T$を計測すればその間の速さ$v$がわかります。

$v$がわかれば問2の式より$a$がわかり、式(A)より重力加速度がわかるということです。
図2(ii)を参考にすると、Bが等速直線運動で$H$を動くときの速さが$v$です。設問の文よりこの時間は$T$となっているので、
$v=\dfrac{H}{T}$
となります。
正解:5
問4
$h$と$v$との関係が問われています。問2の答がヒントになります。
問2より、
\begin{align}
a&=\dfrac{v^2}{2h}\\
\therefore\quad v^2&=2ah
\end{align}
が得られます。また問4では$h$のみを変えて測定しておりおもりの質量は変えていないので、式(A)により加速度$a$は一定です。
設問では$v^2$と$h$との関係が問われておりそれは正比例のグラフになるはずなので、原点を通る直線のグラフを選びます。
正解:1
問5
問4よりグラフの傾き$b$は$2a$に等しいことがわかります。つまり
$a=\dfrac{b}{2}$
ということです。
また問3のおもりの設定より$M’=M+m$です。これらを式(A)に代入して$g$の式を求めます。
\begin{align}
a&=\dfrac{M’-M}{M+M’}g\\
\dfrac{b}{2}&=\dfrac{(M+m)-M}{M+(M+m)}g\\
\dfrac{b}{2}&=\dfrac{m}{2M+m}g\\
\therefore\quad g&=\dfrac{b}{2}\times \dfrac{2M+m}{m}\\
&=\dfrac{2M+m}{2m}b
\end{align}
正解:3
この問題への対策
重力加速度を測定するという基本的な実験で、問3がこの大問のメインです。
問1と問2で問われていることをヒントにして図2の実験原理を理解するところがポイントです。
原理が理解できてしまえば問5まで一気に解けます。
問題文の中で図の説明が長めになっているときは、サッと読むのではなくていねいに読み込む必要があります。説明文と図を交互に見ながら「図の装置で何をしようとしているのか」を考えましょう。



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